支援部員より

藤林 武史
(精神科医)

 被害者ご本人やそのご遺族・ご家族の方々に、お会いしてお話を聴き、少しでもお役に立てるような支援に携わるようになって、かれこれ15年近くになります。
この間に、多くの方々との出逢いがありました。そして、心の傷は癒えるのか、あるいは、癒すことができるのか、精神科医として私は何ができるのか、そんな自問自答の15年でもありました。
その答えは、未だ見出せないままです。言えることは、過去の事件は記憶からなくならない、受けた心の傷もなくなるわけではない、元に戻ることはないというきびしい事実。元に戻すことではなく、元に戻ることでもなく、私ができることは何だろう?
事件があったその日からの歩みを寄り添う、そんなことかと思っています。止まったら、私も止まる。後ろを振り返れば、共に振り返る。先に進む時は、一緒に進む。孤独にならないように、共に共に。
歩みに寄り添う機会があるのは、事件直後ということもあるかもしれませんが、ほとんどは何ヶ月も何年も経ってからです。それでも、出逢ったご縁を大切にしたいと思います。そして、みどりの風のメンバーも、ずっと共に寄り添う仲間なのです。

甲田 宗良
(琉球大学大学院医学研究科精神病態医学講座 臨床心理士)

 学生時代より、犯罪被害者支援に関心をもち、臨床心理学の立場から少しでもお役に立てればと思い、研鑽を積んで参りました。自助グループへのボランティア活動をはじめ、関連した講演会や学会等へも参加してきました。
臨床心理士資格を取得して以降、病院(職場)でお会いする患者さん(被害者の方々)に対するカウンセリングを行っております。
2014年からは、沖縄県臨床心理士会にて、被害者支援担当理事を仰せつかり、県警の被害者等カウンセラーの委嘱(カウンセリングや研修)、 性暴力被害者ワンストップ支援センター相談員へのコンサルテーションなど、犯罪被災者支援にかかわる活動に取り組んでおります。
どうぞよろしくお願い致します。

木野 千尋
(記者)

 約25年間、新聞社に社会部記者として勤務し、退社した後、会に参加させていただきました。現在は、フリーで記者活動をしています。
会では、十分なお手伝いはできていませんが、会と九州のマスコミ各社との勉強会を主に担当しています。
改善の兆しはあるものの、事件や事故報道に関しては、いまだ犯罪被害の当事者、家族、遺族に配慮したものには程遠いのが現状です。特に、事件事故の発生直後は、関係者は、突然の悲劇に見舞われたうえ、日常生活ではほぼ接することがないマスコミからの「攻勢」にさらされ、心身ともに疲弊してしまうという不幸が繰り返されています。また、時間を経れば、当事者、家族、遺族の心の悩みが軽減するものでもありません。
そんな現状や、関連する法律、もしくは社会整備などについて、報道を携わる方々に理解を深めていただくため、勉強会を重ねている次第です。
報道関係者だけでなく、犯罪被害者の現状、正しい情報が行き渡るよう一般の方々にも関心を持っていただければと思います。

林 誠
(弁護士)
・福岡県弁護士会犯罪被害者支援に関する委員会委員(副委員長)
・九州弁護士会連合会犯罪被害者の支援に関する連絡協議会委員
・公益社団法人福岡犯罪被害者支援センター専門委員

 平成17年10月に弁護士登録し、弁護士としての犯罪被害者支援活動に携わってきました。
弁護士といえば刑事裁判での弁護人のイメージが強いかも知れませんが、刑事告訴、被害者参加制度、損害賠償請求といった司法手続き以外にも弁護士にできる犯罪被害者支援は数多くあります。医療機関、福祉機関、報道機関と手をたずさえてこれからも犯罪被害者支援に微力ながら取り組んでいきたいと考えています。

田中 しのぶ

 沖縄県の田中しのぶです。私は、以前沖縄被害者支援ゆいセンターで、相談員をやらせて頂きました。そこで、ご遺族や被害者の方々と出会い、生の声を聴きました。
かけがえのない家族や、愛しい人、大切な人は普段側に居て当然で、気に留める事もなく日々を過ごします。
ある日突然理不尽に奪われたら・・・ 胸が苦しく、息が止まり思考が止まり時間が止まり、その場から動けない。
ご遺族のお話を聴かせて頂くたび、胸締め付ける傷みが忘れられません。何も無い穏やかな平穏な毎日がどれだけ幸せか。
被害者支援に関わり、日々を大事に生きています。同時に、ご遺族や被害に遭われた方が、少しでも、日常のささやかな生活に戻れますよう、微力ですが、お手伝いさせて下さい。
すみません、文章はあまり上手くありません、入力する度に、泣けてきます。
一昨年初孫が産まれ、命の尊さが身に染みております。亡くなられた方、怪我をされた方、心に大きな傷を抱えた方の悲しみや苦しみが、少しでも楽になりますように。祈っております。

菊池 哲子
 (社会福祉士・介護支援専門員)
・福岡県社会福祉士会会員

 ソーシャルワーカーとして人と人をつなぐ役割を大切にしたいと思っています。
犯罪に合われた方に必要な支援やサービスを。そして同じような体験をした方に、遠慮なく気持ちを語れる場を。
そんな思いからみどりの風に参加しています。